Archive for the ‘Shotype’ Category

北京五輪開会式

金曜日, 8 月 8th, 2008

文字が出て来てちょっとうれしかった。カウントダウンで漢数字が出て来た時はちょっと鳥肌が立った。

2008年8月8日午後8時(現地時間)と、中国の人が好きだという8づくしの日に披露した開会式のアトラクション。文字が出るたびにぐいぐいと引き込まれる。活字に見立てた張り子の一つ一つがドットになって文字を浮き上がらせる。「和」だ。カタチが少しづつ変わりなじみのあるカタチに。字体の歴史を振り返ったのか。

入場行進順もアルファベット順ではなく国名を中国の国名表記に置き換えて、画数の少ない順番に入場したそうでとてもユニークだ。中国では五十音やアルファベット順などの換わりに画数順が一般的なのだろうか。画面の英語表記の横に中国語表記があればもっとわかりやすかったんだけど。

Beijing 2008と筆文字で表現されたロゴが発表されてからずっと気になっていた。アルファベットを無理してあわせているように見えるからだ。アルファベットは用いずに漢字を用いて自国の文化を表現したアトラクション。漢字になじみのある自分にとってはとても親しみがあったが、漢字になじみの無い人にとってはどう見えたのだろうか。

カリグラフィーとの距離

金曜日, 8 月 8th, 2008

17時48分大手町駅。普段習い事で乗り換えるだけの駅にて初めて降りてみる。

第四回 MG SCHOOL作品展『カリグラフィー・スイスをたずねて 』を見に出かけた。スイスをテーマに様々な書体で作品が作られており、一つ一つの作品の完成度の高さに圧倒されて帰って来た。

△会場となった東京大手町・ギャラリーパレス

一年半前、この作品展に選ばれることを目標に、かなり時間をかけて準備して下書きまで行きながら、結局完成させること無くこの日を迎える。三年前上京した時の目標の一つでもあったのに、参加しようとせずにただの観覧者を選んだ。ただ逃げただけのようにも思う。当時クラスメイトで目標としていた方々やスクールを通じて知り合った方々はどんどんと上達してさらに遠い存在となってしまった。一度途切れた糸をもう一度ピンと張らせるのは簡単なことではないと思っていたが、この展覧会を見てさらに大変だということを思い知らされた。淡々とレポートするつもりだったが少し思いが強くなって冷静に見れないまま帰途につく。あんなに一生懸命になっていたカリグラフィーとの距離が今少し遠い。

10分=600秒

火曜日, 6 月 17th, 2008

あれよという間にTypeCon Buffalo開催までいつの間にか一ヶ月を切り、時間とは経つのが早いなと感じる。今年は去年より開催が二週間程早く、余計にそう思うのかもしれない。あいにく今年はTypeConには行けそうになく、さてどうしようかと気持ちだけがフワフワしている。

TypeConブログには今年のType Critiqueの要項が案内されている。昨年同様Matthew Carterさん、John Downerさん、小林章さんの三氏を迎えて行われます。受付方法がこれまでより若干変更され、まずは初めての人を優先しようということのようで、席が空いていればこれまで参加したことのある人も登録できるようです。「また行って修正を見てもらおうと企んでることがバレたか?」と思いつつ、今年は行けそうに無いのでもう心配しなくていいか…。

その他の要項はこれまで通り、

・持ち時間10分
・1書体のみ(ファミリーでの提出はダメ)
・プリントアウトしたものを提出(ノートパソコンなどでのプレゼンはダメ)
・もちろん英語で質疑応答。(小林さんが居るから日本語で大丈夫という訳にいきません。John Downerさんに「ちゃんと英語でやってくれよ」とクギを刺されます。)

昨年は、こういうルールを知らないまま行ってしまい、ロビーに貼ってあった要項を見て慌てて前の晩にホテルで編集し直した。英語は片言英語だった上、緊張してほとんど喋れませんでした。批評してくださるお三方用にプレゼン用のシートは3部あった方がいいかもしれません。枠は10席しか無いので早めに応募名簿を見つけて名前を書き込みましょう。

10分と聞いて短いと思っていたが600秒と思えば長く感じる。終わった後で今までで一番貴重な10分だったかもしれないと思った。

関連記事:
TypeCon 2007 Typecrit video

Ianさんとの文字茶会

土曜日, 5 月 31st, 2008

JR新宿駅東口改札前15時07分。待ち合わせに現れないIanさん。仕方なく電話してみる。英語がネイティブの方に自分から電話するなんて初めてじゃないだろうか。すぐに電話は通じて中央東口で待っていたようだ。メールでの書き方が悪かったかな。遠くから大きな体を揺らしてIanさんが歩いてくるのが見えた。

4月上旬に初めてお会いしてからメールでやり取りをはじめ、お互い都合がつかず流れてしまわないか心配だったが、ようやく実現したティーミーティング。折角の機会だしと思って小澤さんと出版社に勤めていて欧文書体にも詳しい吉野さんを誘って文字がらみの話を楽しもうと企画した。

あいにくの雨のなか数件歩き回ってようやくアルタ横のカフェに陣取る。お互い自己紹介をして一人づつ作っている書体を見せたり携わってる仕事のことなどを紹介しながら、いろいろと質問をやりとりした。話は脱線するし適宜質問するし雑談的にできたのがよかった。

Ianさんは日本にある文字に関するうわさ話も良く知っているし、小澤さんの書道についてもいろいろと聞いていたし、仕事で日本語のテキストを使うこともあるらしく、吉野さんが持って来た小説の組みの句読点のアキについて質問していた。当たり前と思っていることも、違う視点から見れば「なんで?」ということがわかっておもしろい。

自分の作品の英語での説明など反省は多かったが実現できてよかった。日本にも海外から来た文字に関心の高い人がたくさんいて、今回のことできっかけを大切にすれば広がって行く実感が得られた。また企画してみようと思う。

ところでIanさんによると今年のTypeCon会場はBuffaloはやっぱりちょっとおっかないらしい。下調べでいろいろと調べてBuffaloには観光名所もあまりも無いらしいし、治安がやや不安定らしいというのも知っていたが、実際に話で聞くと臆病者の性格が想像を膨らませてしまい余計心配になった。

TypeCon 2007 Typecrit video

金曜日, 5 月 23rd, 2008

昨年初めて出かけた海外のタイプコンファレンスTypeCon 2007 Seattle。その際に受けてみた10分間書体批評(10 minutes type critics)の模様の音声がYouTubeにアップされています。

TypeCon Seattle 2007: Typecrit 1 of 4

その場ですべてを聞き取ることは無理だろうと思い、iPodを使って全ての参加者の批評を録音。その音声をもとにEben Sorkinさん(彼もCritique参加者の一人)が写真やその時に使った書体見本などをうまく編集してまとめてくれました。

この10分間書体批評はMatthew Carterさん、John Downerさん、小林章さんの3氏が参加者が制作した書体を10分間で批評してくれるというTypeCon恒例となったイベント。10人の参加者それぞれに与えられた時間は10分。3氏それぞれの書体についての意見が交わされ、時には観客からの質問も飛び交います。


写真:コンファレンス会場受け付け横に張り出されたCritic申し込み用名簿。参加したい人が自分で書き込みます。現地でどうやって登録すればよいかわからず気がつくのが遅く、いつの間にかこの紙が張り出され、10人全てが埋まっていた。しかし、次に見に来た時に誰かが参加を取りやめていたので、あわててそこに自分の名前を書き込んだ(3番目)。

このイベント自体に参加して直接批評してもらうこともとてもよかったのですが、他の参加者への批評もとても勉強になります。こういう書体の時はこういう所に気をつけるのか、こういう所を見比べると全体を判断しやすいのかといったポイントをたくさん知ることができ、見るだけでも十分価値があると思います。

驚いたのは参加者の中にTDCで受賞したこともあるGabriel Meaveさんや、バウハウス大学でタイポグラフィーを教えているJay Rutherfordさんなど、現在活躍するデザイナーが多く参加していたことです。書体についていろいろな人から意見をもらおうという積極的な姿勢がうかがえます。

またこの時はGabrielさんを含め3人のメキシコの方が参加していましたが、どの書体もユニークかつ完成度の高い書体ばかりで、レベルの高さがうかがえました。来年のAtypIはメキシコで開催されるそうで、さらに書体デザインへの関心が高まっていくのではないかな。

最後のパーティーのときにJohn Downerさんに「修正してまた持っておいでよ。」と声をかけてもらった。今年の開催都市はBuffalo。行ったことのないAtypIにするか迷う。

追記:Typophileでの関連スレッド
TypeCon 2007 Typecrit video

国宝 薬師寺展と蘭亭序

水曜日, 4 月 30th, 2008

国宝好きにはたまらない大忙しなゴールデンウィーク。新薬師寺に引き続き、東京国立博物館の「国宝 薬師寺展」に出かけた。「新」がつくつかないは決して新旧の関係にあるわけではなく、「新」には別の意味があるそうだ。仏像の中でも日光/月光、仁王像のような対となるものや、四天王像、十二神将像など複数で世界をなすものが好きで、今回も日光/月光菩薩立像が間近で見ることができるということで楽しみにしていた。

もともと仏像は安置されているお寺で見るのが一番良いと思っているが、美術館での展示の楽しみは、お寺では見ることができない角度から見ることができるのがおもしろいこと。今展では室内にデッキが設けられ、ほぼ真正面から見ることができる工夫がされている。

十二神将像ではないが仏像は十二方位から見るとかっこいいという勝手な持論があり、ぐるりと回りながらお気に入りの角度を見つける。体をS字にくねらせているので、どんどんと動きが加わり姿勢が変化していく。一番よかったのは背中からの角度で、黒いつややかな色と体の動きが相まってとても艶かしい。

作品数が少ない分、吉祥天女像をはじめ国宝、重要文化財に絞られていてとても中身の濃い展覧会。一方で展示期間中、当の薬師寺には日光/月光の写真が飾ってあると友達にきいた。あの大きなお堂に薬師如来が留守を預かっているのかと想像すると、少し寂しい気がする。やっぱり、全てが揃った状態で薬師寺でみるのが一番ありがたいのかな。

東洋館では「蘭亭序」の展示があった。王羲之の真跡は存在せず、さまざまに臨模したものが伝えられているとのことだが、本当にいろいろな書風でのこされていて、奔放に書かれたものもあったのが意外だった。会期の終了が迫っていたので、本当はこちらが目的であったにもかかわらず、「薬師寺展」でかなり疲れ果ててしまい、集中力が続かなかった。美術展の掛け持ちはよくない。7月からは江戸東京博物館でも「北京故宮 書の名宝展」として「蘭亭序」も出品されるそうです。

新薬師寺への散歩

火曜日, 4 月 22nd, 2008

松寿堂をあとにして、少し早歩きで新薬師寺へ。一番気温が高い時間にさしかかり、だんだんと汗ばんでくる。蕾が膨らみ始めた藤の花を見ながら近道らしき小道を抜け、少し高台となったところに出ると、ひっそりと「新薬師寺」がある。思っていたよりも小さい。





お堂は正面が閉ざされていて妻側から中に入ると、薬師如来を中心に周囲を囲むように十二神将像が立っていた。いつもの通り本尊に手を合わせてから見るのを忘れて、いきなり十二神将から見始めてしまった。ついつい気がはやる。

パンフレットの表紙を飾る「婆娑羅神」は主人公たる風貌を持っていて、とてもかっこいい。日本の漫画やアニメは仏像に影響を受けているものが多いというか、脈々と流れているというか、この婆娑羅神は大友克洋のAKIRAを思い起こさせるし、東大寺大仏殿の四天王像はガンダムを感じさせる。十二神将はそれぞれの表情の違いがキャラクターを感じさせるところが好きな理由なのだろうかと思う。

全て丁寧に見てから自分の干支の神に手を合わせたがここで大失態。干支の亥ではなく自分の星座の牡牛座とこんがらがって、丑の神に手を合わせてしまった。神将に見抜かれたのか、睨まれている気がした。

奈良墨を訪ねて

月曜日, 4 月 21st, 2008

大阪への出張のおりに訪れた奈良は新緑の季節で天気も良くとても気持ちよかった。

お目当ては新薬師寺の十二神将像。仏像マニアの心をくすぐる国宝である。奈良中心街の寺社にはほとんど行っていたが、新薬師寺だけは少し離れたところにあるので、まだ行けていなかった。

JR奈良駅でたまたま手に取った観光ガイドの墨の写真に目が留まり、新薬師寺への途中にあるようなので行ってみることにした。これまでは近鉄電車を使うことが多かったが、最近になって実家の最寄りから奈良へのJRの直通電車が開通したので初めてJR奈良駅で降りてみたが、こちらの方が町並みも古く風情があって発見も多かった。

駅から10分程でガイドに紹介されていた「松寿堂:しょうじゅどう」に着いたが、いざ外観を見ると高級そうな老舗に思えてしばらく入るのをためらった。しかし、せっかく来たんだしと思い切って入るとご主人と奥様がとても気さくに出迎えてくださりほっとする。

屋内も純和風の設えで、土間からの上がり口(この部分をなんて言うんだっけ?)に墨がきれいに並べられていた。ちょうど向かいにある階段状の箪笥が印象的で、落ち着いたとても素敵な雰囲気だ。

ご主人に一つ一つ商品を見せていただきながら、墨の作り方やお店の歴史などをうかがった。なんでも、室町時代頃から奈良の興福寺のお坊さんが写経をするのに墨を大量に必要としたのが始まりだそうで、「奈良墨」と呼ばれるそうだ。以前は多くの墨屋さんがあったらしいが、墨は公害の原因ともなるため敬遠されたこともあり、今ではこの町内にあるのは松寿堂さんだけになってしまったらしい。

その他にも梨の木で作られたという墨の押し型もわざわざ奥から出してくださり、とても細かい龍の柄について丁寧に解説していただけた。文字を凸にした木型もあり、木活字のようだった。

以前見たヘルマン・ツァップさんの短編映画 “The Art of Hermann Zapf” で墨を摺っていたことを思い出し、東洋だけでなく西洋のカリグラファーも墨をインクとして使っていることをご主人に話すと、「今度からその話を使わせてもらいます。」とうれしそうに話されていた。

鹿の形をしたかわいい墨を2つ購入。きれいな桐箱に入ってインテリアとして置いても良いなと思う。もっとじっくりお話をお聞きしたかったが、残念ながら新薬師寺の閉門時間が早いのでおいとますることにした。もう一度来てゆっくりお話をお伺いできたらと思う。

(上) 新薬師寺からの帰りに見つけたもう一つの墨屋さん「古梅園:こばいえん」の看板と暖簾。 (右下) 墨という文字がシンボリックでかっこいい。

Shotype.com開始

火曜日, 4 月 1st, 2008

本日よりブログを開始。どのシステムが良いのかわからず、とりあえずWordPressを採用。思ったよりも簡単に作れたが、決して凝ったものにはできていないので、これから充実させるのにかなりたくさんのことをしなければならないはずだ。あまり気張りすぎると続かないということを自分でよくわかっているので、始めること、続けることを大切にしたい。と言いながら、4月1日にスタートさせるのは、続かなかったときにエイプリルフールだったと言い訳できるようにするため。