6 月 22nd, 2008
午後12時02分八重洲ブックセンター本店前。第3回カリグラファーズ・ギルド作品展を見るため小澤さんと待ち合わせる。会場はギャラリーくぼた。4つのフロアに集まった約200点以上の作品を見ていく。古典、モダン、和欧の競演、レリーフなど表現方法はさまざまで見応えがあった。お目当てのカリグラファーはどちらも文字だけで作品を作っていて、緊張感があってかっこ良い。文字の強さを感じる。そのうちの一人、白谷さんに会場で会っていろいろと話を伺った。
作品の他にもう一つお聞きしたかったことがあった。パッケージデザインをする上でカリグラフィックな文字も欲しい時があり、その可能性についてお聞きした。もちろん自分でも書きたいと思っているが、多様なデザインの方向性が必要な場合などを考えると、お願いしなければならない場面もでてくる。デザインと作品の違いなど、カリグラファーとしての意見を伺うことができて、心配していたことが晴れた気がした。実現できる機会を作れるようにしてみたい。

いただいたDMと会場で配られていたThank youカード
この作品展は7月より仙台、岡山、大阪と巡回するそうです。
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6 月 20th, 2008
最近所用で関西へ戻ることが多い。兵庫県に住んでいた頃は阪急電鉄を利用することが多かったが、新幹線からの乗り継ぎはJRの方が便利なので、帰郷時には良く乗るようになった。JR西日本の車両にも情報モニターが付くようになり、エンドレスでクイズやCMが流れている。



JR西日本のICOCAをマスコットキャラクターのカモノハシのイコちゃんがPRしている。吹き出しにセリフ。選ばれた書体がモリサワの「竹」。イコちゃんの声にぴったりだったのが「竹」だったのだろう。
「竹」は直線的なデザインでありながら、自然な骨格を持っているので、角張ったカタチをしているのに硬い印象は無い。細かく見ていくと、交差部の画が込み入った所の濃度を調整するために、太さに変化を付けたり、斜線同士の交差部も、まっすぐ交わっているように見せる錯視補正がされている。欧文でもちょうどXの交差部に施すような補正を「竹」では至る所で施しているようだ。直線的な画の構成で、実は画面表示にも向いているんじゃないだろうか?(考え過ぎか?)使うときにそこまで詳しく見ないけど、「竹」は和のテイストがあってカジュアルな印象が出せるのでパッケージにも使ってみたいなとずっと思っている。
この書体は、かつて行われていた「国際タイプフェイスコンテスト モリサワ賞1993」で銀賞を受賞した書体で、長い間暖められてモリサワライブラリに加わった。作者の竹下直幸さんは和欧問わず書体に詳しく、街中を一緒に歩いていると目の前の書体を指して書体名を教えていただける。ご自身のブログでも2006年の一年間「街でみかけた書体」という企画を続けられていたが、当時まだリリースされていなかった「竹」を街中で発見したときの感想を伺ってみたい。
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6 月 17th, 2008
あれよという間にTypeCon Buffalo開催までいつの間にか一ヶ月を切り、時間とは経つのが早いなと感じる。今年は去年より開催が二週間程早く、余計にそう思うのかもしれない。あいにく今年はTypeConには行けそうになく、さてどうしようかと気持ちだけがフワフワしている。
TypeConブログには今年のType Critiqueの要項が案内されている。昨年同様Matthew Carterさん、John Downerさん、小林章さんの三氏を迎えて行われます。受付方法がこれまでより若干変更され、まずは初めての人を優先しようということのようで、席が空いていればこれまで参加したことのある人も登録できるようです。「また行って修正を見てもらおうと企んでることがバレたか?」と思いつつ、今年は行けそうに無いのでもう心配しなくていいか…。
その他の要項はこれまで通り、
・持ち時間10分
・1書体のみ(ファミリーでの提出はダメ)
・プリントアウトしたものを提出(ノートパソコンなどでのプレゼンはダメ)
・もちろん英語で質疑応答。(小林さんが居るから日本語で大丈夫という訳にいきません。John Downerさんに「ちゃんと英語でやってくれよ」とクギを刺されます。)
昨年は、こういうルールを知らないまま行ってしまい、ロビーに貼ってあった要項を見て慌てて前の晩にホテルで編集し直した。英語は片言英語だった上、緊張してほとんど喋れませんでした。批評してくださるお三方用にプレゼン用のシートは3部あった方がいいかもしれません。枠は10席しか無いので早めに応募名簿を見つけて名前を書き込みましょう。
10分と聞いて短いと思っていたが600秒と思えば長く感じる。終わった後で今までで一番貴重な10分だったかもしれないと思った。
関連記事:
TypeCon 2007 Typecrit video
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6 月 14th, 2008
こういう映像を見るだけで、ちょっと血液の動きが強くなるのがわかるのが不思議。秀英体のページではなく会社のニュースページで見つけた。
大日本印刷株式会社 『仕事の達人 DNPユニプロセス 高橋耕一』
3年程前に市谷の工場を見学させていただけるチャンスがあった。役割を終えた金属活字の鋳造、組版の部屋を見学し、次から次へと受け継がれた歴史を一気に振り返った。今、デジタルフォントとして新たに歩みだしている「秀英体」。平成の大改刻をとても楽しみにしている。今日は裏方として支えているある方の特別な日。祝福に添えて秀英体のことを記しておきます。
大日本印刷株式会社 秀英体
関連記事:タイププロジェクト日記より
DNP 市谷工場
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6 月 12th, 2008
昨年小林章さんが審査員として加わった中国書体メーカーの書体デザインコンペの結果を見つけた。小林さんの日記で紹介され、中国の書体デザインのレベルが上がっていくのではないかとのコメントを読んで気になっていた。
方正字庫 字体大赛
審査の模様
中国語は読めないので英語での概説。
The 4TH “Founder Award” Competition on Chinese font Design and Poster Design
2値ではなく多値のデザインがあることに驚かされたが、グレートーンをデザインに取り込んでいて墨絵を思わせる書体もある。アウトラインデジタルフォントを考えれば2値で制作するのが常識なのかもしれないが、それが自由度を狭めている可能性もある。画面表示やFlashでの表示を考えると2値にとらわれすぎるのもナンセンスなのかもしれない。筆画のぶれやにじみなど、静止しているのに動きや時間を感じるものもあって、アウトラインフォントの枠を超えた可能性を感じさせられた。確かにBitFonterなどを利用すればグレースケールやカラーで表現することも可能でおもしろそうだ。
過去三回の(と思われる)結果も掲載されていた。
いつも和文を見ると欧文のデザインをするならどうするかということを考えるので、バラエティーに富んだ書体を見ると、いろいろと手を動かしてみたくなる。
お隣の国なのにあまり知らない中国や韓国の書体事情。今Arabicはとても注目されている。CJKV(Chinese-Japanese-Korean-Vietnamese)も、話題を提供していけるようにしたいと思う。
韓国と中国の文字に関する記事。
誠文堂新光社
アイデア 307に「ハングル書体デザインの現状」
アイデア 327に「現代中国の書籍設計」「[論文]中国におけるグラフィックデザインとタイポグラフィの歴史的発展に関する研究 1805-1949 文:孫明遠」
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5 月 31st, 2008
JR新宿駅東口改札前15時07分。待ち合わせに現れないIanさん。仕方なく電話してみる。英語がネイティブの方に自分から電話するなんて初めてじゃないだろうか。すぐに電話は通じて中央東口で待っていたようだ。メールでの書き方が悪かったかな。遠くから大きな体を揺らしてIanさんが歩いてくるのが見えた。
4月上旬に初めてお会いしてからメールでやり取りをはじめ、お互い都合がつかず流れてしまわないか心配だったが、ようやく実現したティーミーティング。折角の機会だしと思って小澤さんと出版社に勤めていて欧文書体にも詳しい吉野さんを誘って文字がらみの話を楽しもうと企画した。
あいにくの雨のなか数件歩き回ってようやくアルタ横のカフェに陣取る。お互い自己紹介をして一人づつ作っている書体を見せたり携わってる仕事のことなどを紹介しながら、いろいろと質問をやりとりした。話は脱線するし適宜質問するし雑談的にできたのがよかった。
Ianさんは日本にある文字に関するうわさ話も良く知っているし、小澤さんの書道についてもいろいろと聞いていたし、仕事で日本語のテキストを使うこともあるらしく、吉野さんが持って来た小説の組みの句読点のアキについて質問していた。当たり前と思っていることも、違う視点から見れば「なんで?」ということがわかっておもしろい。
自分の作品の英語での説明など反省は多かったが実現できてよかった。日本にも海外から来た文字に関心の高い人がたくさんいて、今回のことできっかけを大切にすれば広がって行く実感が得られた。また企画してみようと思う。
ところでIanさんによると今年のTypeCon会場はBuffaloはやっぱりちょっとおっかないらしい。下調べでいろいろと調べてBuffaloには観光名所もあまりも無いらしいし、治安がやや不安定らしいというのも知っていたが、実際に話で聞くと臆病者の性格が想像を膨らませてしまい余計心配になった。
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5 月 23rd, 2008
昨年初めて出かけた海外のタイプコンファレンスTypeCon 2007 Seattle。その際に受けてみた10分間書体批評(10 minutes type critics)の模様の音声がYouTubeにアップされています。
TypeCon Seattle 2007: Typecrit 1 of 4
その場ですべてを聞き取ることは無理だろうと思い、iPodを使って全ての参加者の批評を録音。その音声をもとにEben Sorkinさん(彼もCritique参加者の一人)が写真やその時に使った書体見本などをうまく編集してまとめてくれました。
この10分間書体批評はMatthew Carterさん、John Downerさん、小林章さんの3氏が参加者が制作した書体を10分間で批評してくれるというTypeCon恒例となったイベント。10人の参加者それぞれに与えられた時間は10分。3氏それぞれの書体についての意見が交わされ、時には観客からの質問も飛び交います。

写真:コンファレンス会場受け付け横に張り出されたCritic申し込み用名簿。参加したい人が自分で書き込みます。現地でどうやって登録すればよいかわからず気がつくのが遅く、いつの間にかこの紙が張り出され、10人全てが埋まっていた。しかし、次に見に来た時に誰かが参加を取りやめていたので、あわててそこに自分の名前を書き込んだ(3番目)。
このイベント自体に参加して直接批評してもらうこともとてもよかったのですが、他の参加者への批評もとても勉強になります。こういう書体の時はこういう所に気をつけるのか、こういう所を見比べると全体を判断しやすいのかといったポイントをたくさん知ることができ、見るだけでも十分価値があると思います。
驚いたのは参加者の中にTDCで受賞したこともあるGabriel Meaveさんや、バウハウス大学でタイポグラフィーを教えているJay Rutherfordさんなど、現在活躍するデザイナーが多く参加していたことです。書体についていろいろな人から意見をもらおうという積極的な姿勢がうかがえます。
またこの時はGabrielさんを含め3人のメキシコの方が参加していましたが、どの書体もユニークかつ完成度の高い書体ばかりで、レベルの高さがうかがえました。来年のAtypIはメキシコで開催されるそうで、さらに書体デザインへの関心が高まっていくのではないかな。
最後のパーティーのときにJohn Downerさんに「修正してまた持っておいでよ。」と声をかけてもらった。今年の開催都市はBuffalo。行ったことのないAtypIにするか迷う。
追記:Typophileでの関連スレッド
TypeCon 2007 Typecrit video
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5 月 19th, 2008
先月、Christian Schwartzさんの会合でお会いしたIan LynamさんからParallel Strokesという本を送っていただいた。以前彼はPingMagで小林章さんにインタビューを行い、それを見て以来ずっとインタビュアーのIanさんのことが気になっていたが、まさか日本に住んでおられるとは思っていなかった。先日の会合では会の終わりに少し挨拶をさせていただいただけだったので、メールで少しやり取りをさせていただいていた。
このParallel Strokesには彼がタイプデザイナーや、文字に関わるアーティストにインタビューした記事がまとめられている。一口に文字と言っても文字をメインにした落書きアーティストから書体デザイナーとさまざま。文字をテーマにしていろいろな人が活躍しているんだなと思った。それぞれの活動内容や、なぜ文字に興味を持ち始めたかなど各者さまざまでとてもおもしろい。いろいろなきっかけがあるのだなと思った。

Parralel Strokesと一緒に送っていただいたノベルティ
小林さんのインタビュー記事もかなりの部分がカットされていたのか、PingMagには掲載されていなかった質問項目やスケッチなどが掲載されている。その他にはUnderwareへのインタビューや以前IanさんがFontShopカタログで記事を掲載した号の写真を見てとても好きになったDAIMへのインタビューなどが含まれている。



(左上) Parallel Strokesのポスター (右下) 掲載アーティストの写真を見て思い出したIanさんの記事が掲載されたFontShopのカタログ005。表紙を飾るのはDAIMのアート。
Ianさんはグラフィックデザイナーとしてだけでなく、CooperBlack Swashをデジタル化した方でもある。自身でレーベルも立ち上げているようだ。いろいろとお伺いしたいこともあるので、一度会いませんかと約束をした。
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5 月 12th, 2008
Linotype社がFrutiger Serifを発表。Frutiger SerifはAdrian Frutiger氏がデザインした代表的セリフ書体Meridienを改刻したものだ。尖ったセリフを持ちながらなぜか柔らかい印象を受けるMeridien。次に改刻してほしい書体の一つだった。よくHelveticaやUniversのセリフ書体があったらと想像してみるが、それにセリフをつけるだけでいいというふうに簡単にはいかない。Palatinoは新書体としてSans Serifファミリーが加わったが、FrutigerにはMeridienを改刻させて(Meridienの名前が残らなかったのが少し残念だけど)Serifファミリーとした。字幅やウエイト、プロポーションをFrutiger Nextに合わせて設計され、Sans Serif(Frutiger Next)とSerifの相性がさらによくなるようになっているそうだ。小サイズでの使用時の読みやすさも見直されて、Frutigerファミリーとして頼もしい相棒が加わった。
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4 月 30th, 2008
国宝好きにはたまらない大忙しなゴールデンウィーク。新薬師寺に引き続き、東京国立博物館の「国宝 薬師寺展」に出かけた。「新」がつくつかないは決して新旧の関係にあるわけではなく、「新」には別の意味があるそうだ。仏像の中でも日光/月光、仁王像のような対となるものや、四天王像、十二神将像など複数で世界をなすものが好きで、今回も日光/月光菩薩立像が間近で見ることができるということで楽しみにしていた。


もともと仏像は安置されているお寺で見るのが一番良いと思っているが、美術館での展示の楽しみは、お寺では見ることができない角度から見ることができるのがおもしろいこと。今展では室内にデッキが設けられ、ほぼ真正面から見ることができる工夫がされている。
十二神将像ではないが仏像は十二方位から見るとかっこいいという勝手な持論があり、ぐるりと回りながらお気に入りの角度を見つける。体をS字にくねらせているので、どんどんと動きが加わり姿勢が変化していく。一番よかったのは背中からの角度で、黒いつややかな色と体の動きが相まってとても艶かしい。
作品数が少ない分、吉祥天女像をはじめ国宝、重要文化財に絞られていてとても中身の濃い展覧会。一方で展示期間中、当の薬師寺には日光/月光の写真が飾ってあると友達にきいた。あの大きなお堂に薬師如来が留守を預かっているのかと想像すると、少し寂しい気がする。やっぱり、全てが揃った状態で薬師寺でみるのが一番ありがたいのかな。
東洋館では「蘭亭序」の展示があった。王羲之の真跡は存在せず、さまざまに臨模したものが伝えられているとのことだが、本当にいろいろな書風でのこされていて、奔放に書かれたものもあったのが意外だった。会期の終了が迫っていたので、本当はこちらが目的であったにもかかわらず、「薬師寺展」でかなり疲れ果ててしまい、集中力が続かなかった。美術展の掛け持ちはよくない。7月からは江戸東京博物館でも「北京故宮 書の名宝展」として「蘭亭序」も出品されるそうです。

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4 月 22nd, 2008
松寿堂をあとにして、少し早歩きで新薬師寺へ。一番気温が高い時間にさしかかり、だんだんと汗ばんでくる。蕾が膨らみ始めた藤の花を見ながら近道らしき小道を抜け、少し高台となったところに出ると、ひっそりと「新薬師寺」がある。思っていたよりも小さい。

お堂は正面が閉ざされていて妻側から中に入ると、薬師如来を中心に周囲を囲むように十二神将像が立っていた。いつもの通り本尊に手を合わせてから見るのを忘れて、いきなり十二神将から見始めてしまった。ついつい気がはやる。
パンフレットの表紙を飾る「婆娑羅神」は主人公たる風貌を持っていて、とてもかっこいい。日本の漫画やアニメは仏像に影響を受けているものが多いというか、脈々と流れているというか、この婆娑羅神は大友克洋のAKIRAを思い起こさせるし、東大寺大仏殿の四天王像はガンダムを感じさせる。十二神将はそれぞれの表情の違いがキャラクターを感じさせるところが好きな理由なのだろうかと思う。
全て丁寧に見てから自分の干支の神に手を合わせたがここで大失態。干支の亥ではなく自分の星座の牡牛座とこんがらがって、丑の神に手を合わせてしまった。神将に見抜かれたのか、睨まれている気がした。
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4 月 21st, 2008
大阪への出張のおりに訪れた奈良は新緑の季節で天気も良くとても気持ちよかった。
お目当ては新薬師寺の十二神将像。仏像マニアの心をくすぐる国宝である。奈良中心街の寺社にはほとんど行っていたが、新薬師寺だけは少し離れたところにあるので、まだ行けていなかった。
JR奈良駅でたまたま手に取った観光ガイドの墨の写真に目が留まり、新薬師寺への途中にあるようなので行ってみることにした。これまでは近鉄電車を使うことが多かったが、最近になって実家の最寄りから奈良へのJRの直通電車が開通したので初めてJR奈良駅で降りてみたが、こちらの方が町並みも古く風情があって発見も多かった。


駅から10分程でガイドに紹介されていた「松寿堂:しょうじゅどう」に着いたが、いざ外観を見ると高級そうな老舗に思えてしばらく入るのをためらった。しかし、せっかく来たんだしと思い切って入るとご主人と奥様がとても気さくに出迎えてくださりほっとする。
屋内も純和風の設えで、土間からの上がり口(この部分をなんて言うんだっけ?)に墨がきれいに並べられていた。ちょうど向かいにある階段状の箪笥が印象的で、落ち着いたとても素敵な雰囲気だ。
ご主人に一つ一つ商品を見せていただきながら、墨の作り方やお店の歴史などをうかがった。なんでも、室町時代頃から奈良の興福寺のお坊さんが写経をするのに墨を大量に必要としたのが始まりだそうで、「奈良墨」と呼ばれるそうだ。以前は多くの墨屋さんがあったらしいが、墨は公害の原因ともなるため敬遠されたこともあり、今ではこの町内にあるのは松寿堂さんだけになってしまったらしい。
その他にも梨の木で作られたという墨の押し型もわざわざ奥から出してくださり、とても細かい龍の柄について丁寧に解説していただけた。文字を凸にした木型もあり、木活字のようだった。
以前見たヘルマン・ツァップさんの短編映画 “The Art of Hermann Zapf” で墨を摺っていたことを思い出し、東洋だけでなく西洋のカリグラファーも墨をインクとして使っていることをご主人に話すと、「今度からその話を使わせてもらいます。」とうれしそうに話されていた。


鹿の形をしたかわいい墨を2つ購入。きれいな桐箱に入ってインテリアとして置いても良いなと思う。もっとじっくりお話をお聞きしたかったが、残念ながら新薬師寺の閉門時間が早いのでおいとますることにした。もう一度来てゆっくりお話をお伺いできたらと思う。




(上) 新薬師寺からの帰りに見つけたもう一つの墨屋さん「古梅園:こばいえん」の看板と暖簾。 (右下) 墨という文字がシンボリックでかっこいい。
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4 月 12th, 2008
銀座gggで開催中のTDC展に行く。先日Schwartzさんのプレゼンテーションでお会いした現在イギリスReadingの学生であるFernando De Mello Vargasさんの作品を見てみたかったからだ。見事TDC賞を受賞したFridaという書体は標準的な欧文だけでなくタミル語というインドで使われる言語もカバーしているそうだ。
VargasさんとはTDC賞授賞式翌日に開かれたSchwartzさんのプレゼンテーションでたまたまお会いしたが、終電間際だったこともありゆっくり話を聞くことができなかったので、メールを送ってやり取りをしている。Reading大学での論文などもサイト上に公開してあり、スペーシングについての研究など、とても興味深く読ませてもらった。学生でありながら既にこのレベルの作品と論文を手がけたということに恐れ入る。
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4 月 8th, 2008
まさかこの方に日本で会うことができるとは思ってなかった。五反田の5tanda Sonicで開かれたTokyo Art Beatのトークショーには、ニューヨークを拠点にするタイプデザイナーChristian Schwartzさんをゲストに迎え、大雨にも関わらず多くの人が詰めかけたいた。

I Love New York Tシャツを着て壇上に上がったSchwartzさんは、たくさんのスライドとともに、手がけてきたカスタムフォントの事例を紹介。特にイギリスの新聞The Guardian用のカスタムフォントの経緯を詳細に語ってくれた。100を越す膨大なファミリーになった理由や、それぞれのファミリーの持つ役割などを解説し、カスタムフォントを作る意味が感じられた。
ショーのあとで懇親会が開かれ、少しお話をすることができた。ポートフォリオを見てもらって意見をもらったり、質問をしてみた。Schwartzさんも見出し用の太い書体が好きなようで、丁寧に見ていただくことができた。Guardian書体は今年中に発売予定だそうで、コンデンス書体も現在進行中とのこと。


(左) 3スタイルある書体について解説。 (右) この日のために用意されたプロフィールなどが掲載されたフリーペーパーにサインしてもらう。
このショーの数日後には朗文堂でも同様のプレゼンテーションが行われ、厚かましくまたお邪魔した。先日できなかった質問を伺うことができ、オランダの書体に影響を受けた理由や、カスタムフォントを導入する際のクライアントの理解度についての意見をお聞きした。
日本でカスタムフォントが普及しないのは決して文字数の多さだけが原因ではないと思う。まだまだ作り手がその効果、利点をうまく説明できていないという思いが強くなった。
日本で海外のタイプデザイナーに直接お話を聞くチャンスはほとんどない。Schwartzさんは明日が帰国というのに二回目の時間を作ってくださったそうで、二回も会うことができ、たくさん質問させていただいてとても感謝しています。
もう一人、お礼を申し上げなければならない方がいます。今回のTABのトークショーをコーディネートされたAQのChris Palmieriさん。タイプデザインにとても興味があるそうで、ご自身のサイトでJeremy Tankard氏など最近注目しているタイプデザイナーにインタビューをしており、Schwartzさんの通訳としても尽力され、とても親切にしてくださいました。ありがとうございました。
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4 月 5th, 2008
嘉瑞工房さんがWEBサイトのリニューアルを行った。書体見本に加え金属活字の写真も添えられている。活版印刷の基礎知識というコーナーも近々開設されるようで楽しみだ。
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